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『物事の観察に鋭敏で、見聞が広く精通していること。』
最近、古い型の携帯電話を持つ方が少なくなり、スマートフォンが主流のようです。アナログ派の私としても時代についていかねばと思うこのごろであります。
「長目飛耳」幕末に松下村塾を開いた吉田松陰が、見聞を広め、物事を鋭敏に観察する大切さを弟子たちに教え、モットーとした言葉であります。自身も全国を歩き見聞し情報収集していましたが、密航に失敗後自宅謹慎となり塾生たちが見聞し、まとめた記録から外部の情報をつかんでいたそうです。
現代は携帯電話やインターネット、あらゆる情報が容易に手に入る時代でありますが、あふれる情報の中から知るべきこと、正しい情報を得ることはなかなか難しく、そのための能力が求められているとも思います。今必要なのは、自ら見聞きし体験することで、情報を受信する感性を磨くことではないでしょうか。沖縄県名護市と滝川市の両青年会議所による児童交歓事業が、今年で40回目を迎えました。テレビで見聞きするだけではなく、実際の暑い沖縄で思いっきり遊び、学んだ子どもたちの目はキラキラと輝き、出発前よりひときわたくましくなって見えました。姉妹都市・米国スプリングフィールド市へのジュニア大使訪問団や滝川西高等学校の短期留学、スタディツアーなど、海外の異文化や本物に触れた子どもたちも同じでありました。
これからの情報社会の中で、あふれる情報に溺れることなく、自らの感性で必要なことを取得する力を、滝川の子どもたちにさまざまな機会を通じて、ぜひ身に付けてもらいたいと思います。
広報たきかわ8月号に掲載した市長コラムを掲載したものです。