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『打算的な考えを持たず、真心をこめて相手に接する心。』
春はフレッシュな方々の季節です。市役所や市立病院にも多くの新人職員が採用となりました。最近は「ゆとり世代」に対する評価がいろいろ言われていますが、私は目的意識をしっかり持たれている方が多いなと感じました。さて、先日新人職員研修が行われ、私から心構えの話をさせていただき、講話の中で三つのお願いをしました。まず自分自身を知ること。これは、自らを理解できない人には他人との意思疎通ができないと思うからです。次に、常に向き合う方々に誠実に対応してほしいということ。よくあいさつの角度などを教えたりしますが、心が伝われば角度は関係なく、どんなに丁寧な言葉でも空虚であれば気持ちは伝わらないと思うからです。三つ目は自らが住む街を好きになってほしいということ。3月に立ち上がった高校生のボランティア団体に参加された女生徒が動機を語っていました。「もっとこの街を好きになりたいから」と。街を知ろうとする心、街を好きになろうとする心から、まちづくりが始まるのではないでしょうか。
「矜持(きょうじ)」という言葉があります。かくあるべき姿、また、自負心という意味です。今は日本人としての矜持が失われているような気がしています。それを取り戻すために必要なのは、多くの先人や先輩たちを今一度見習い、自らの足元を見直すことではないでしょうか。日本人としての矜持を再び取り戻したいものです。人間としての矜持は自らなすべきこと、なさねばならないことに、誠心誠意立ち向かうことだと思います。新人職員の皆さんにも早く自らの矜持を持ってほしいです。
広報たきかわ5月号に掲載した市長コラムを掲載したものです。