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『名声や利益を求めず、雲や月のように清らかな心や性質をもつ人のこと』
「人生は長さでは無い、今をどう生きるかが大切なんだ」。15歳の少女の言葉が、私の心の奥深くに響いてきました。公益財団法人そらぷちキッズキャンプの理事長である細谷亮太先生の滝川市医師会30周年記念講演は、冒頭、テレビのドキュメンタリー番組の紹介から始まりました。難病の少女がつらい闘病生活の中から、最後は自分らしく生きられる在宅での治療を望み、病院での治療を続け少しでも長生きさせたいという父親の説得にこう答えたのです。その後、つらい別れが訪れます。その前に一泊二日で海岸の宿へ家族旅行をするのです。多くの方々のお手伝いで実現した小旅行、その中で見せる少女のまぶしいくらいの笑顔、その笑顔を本当にうれしそうに見守るご両親の姿。涙が止めどなく流れてきました。
本年夏に、そらぷちキッズキャンプが正式にオープンします。全国に20万人いるといわれる難病の子どもたちの夢のキャンプです。「生きる」という事と常に向き合っている子どもたちが夢をかなえるため、生きがいを求めてキャンプを訪れます。市民の皆様には、ぜひ自分に何ができるかと考えての応援をご期待し、この様な素晴らしい施設が、滝川にできることを誇りとしていただきたいと思います。
滝川市出身で私の高校の先輩である松本守さん、アメリカにある難病の子どもたちのキャンプのことを知り20年以上も前から日本でも作りたいと奔走されてきました。その思いが多くの人を動かし、多くの人と出会い、自らも病気と闘いながらここまで来ました。まぶしいくらいの笑顔を見せる子どもたち、その姿を見守る松本さんの笑顔も同じく輝いています。
広報たきかわ6月号に掲載した市長コラムを掲載したものです。